123億円のバスキア

 

 昨日から開催の第4回CAF賞展の入選作品展覧会を観に...ではなく、本当は主宰団体代表を務めるZOZOの前澤社長が今年5月にアメリカ画家史上最高額の123億円で落札した、ジャン=ミシェル・バスキアの作品を観に代官山のヒルサイドテラスへ...正直でスミマセン(笑)。

https://www.instagram.com/p/Ba6pf0_lUUQ/

 好き嫌いはともかく、どういう経緯であれ、一枚の作品に123億円の対価を支払える財力よりも、その熱意に、そしてそれを惜しみなくこう言う形で一般に公開すると言うそのスタイルに、敬意を表さずにどうすると言うのでしょう。

 日本では比較的多くのコレクターが大作を所有するも、一般公開はせずに一人でひっそり楽しんでいる人が多いとされる中(実際に家族も知らずに、その死後判明する事も多いそうです)、こうやって自分の務める財団主催のイベントの最後に観る事が出来るようにして、新しい才能が一人でも多くの目に触れるように、しかも無料で、この距離でシェアをしてくれた人がかつていたでしょうか。素直に素晴らしいと思います。

 正直バスキアはそのバックグラウンドも含めて全く興味がありませんでしたが、これはとても引き込まれるものがあり、これから初めてアートに触れる人にはある意味最高の一枚かもしれませんね。

 え?123億だからそう思ったんだろうって?フェラーリだって3000万円近いからみんな憧れるわけですよ。それに、基本的に僕は美術館やギャラリーは作品名だけではなく、その価格も常に表示すべきだと常に思っています。なぜなら自分が理解しえない価値を知る、世界共通の言語がお金だからです。そうすれば知らなくとも少なくとも興味がそそられて裾野が広がるはず。いつまで経っても多くのビッグネームが出ないのも、変に気取って崇高な感じにするからだと思っているので、面識はありませんが、今回の展示を決めた前澤社長は本当に素晴らしい一石を投じたと思うのです。

https://www.instagram.com/p/Ba6qrHUFdSb/

 しかもですよ、奥さん!今なら入場無料な上に、この作品を観ながら15mくらいの距離から何の遮るものもなくお酒が飲めちゃうんですよ!これは行くっきゃないですよ!

 ただこのイベント、会期がとても短く、明後日の11月3日(金)まで。それ以降は海外の美術館を巡回するようなので、次に日本で観る事ができるのは当分先になってしまうらしいのでご注意あれ。

 秋の夜長、みなさんも700円のハイネケンを片手に123億円の作品を眺めてみてはいかがでしょう。いやぁ松茸の土瓶蒸しも串揚げも美味しかったなぁ(注:ここではない)♪

 前澤社長、お会いするどころか面識もありませんが、本当に素敵な夜をありがとうございました! 

 

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